2014/10/15

速いパッセージの練習について



 今回初めてびよらの技術的な記述を行うが、最初に断っておきたいのは、僕はびよら奏者としては決して熟練者ではないし、客観的に評価するなら「中の下」でしかないということ。大人になってから我流でびよらを練習してきたため、いわゆる教則本とは異なる弾き方をしている部分が多々ある。無論、絶対音感もなければ、超絶技巧はおろか単に速いだけのパッセージをさらうのにも四苦八苦している現状だ。

2014/10/11

ヴィオラ奏法解説

※たまには息抜きな記述を。
※真面目な内容を期待した方にはごめんちゃい。

 Fオケ時代は自ら“ファンキー内声パート担当”を名乗り、少年漫画の必殺技のごとき奏法を駆使していたワタクシ。その後すっかり「つまらないオトナ」の仲間入りをしてしまったけど、ここいらでいっちょう原点回帰(…と言うのか?)(…と言えるのか?)するために、文字化しておく。

【ばきんぼきん奏法】

 
 手首の返しがポイント。UPからDOWNに移り変わる際は元弓で圧をかけやすいため「ばきん!」をたやすく出せるが、逆に先弓で貧弱になりがちなDOWN⇒UPの切り替えの際には右手人差し指に魂込めて思いっきり突かないと「ぼきん!」が鳴らないため注意を要する。フィジカルに難を抱える女性プレーヤーには、過酷な奏法かもしれない。
 

【がりがり奏法】

 
 Violaお得意のキザミを、アグレッシブかつアクロバティックに弾く際の奏法。Beethoven作品やロシアもんなんかで多用する。いわゆる元弓ではなく、それよりもさらに5cm元寄りで、つまりは毛箱ギリギリの部位を用いて、弦をブチ切るくらいの気合いで魂込めてガリガリする。
 

【きゅい~んハイポジ】

 
 ポルタメントとグリッサンドを巧みに合成し、この世のものとも思えない“いやらしさ”または“スケベェさ”ようするに“趣味の悪さ”を究極的に実現させた表現法。技術的にはポジション移動のスピードを緩やかにすることに尽きるのだが、より高い効果を狙うコツとしては動き出しを早く、目指す音に近づくにつれて遅くすればよい。
 

【うにゅうにゅヴィヴラート】

 
 第1・2関節の屈伸運動ではなく、押さえたポイントを微妙にズラしながら、手首から先前体で指板を滑走させるヴィヴラートのこと。極力速度を遅く、かつ振幅を1~1.5度ピッチ分ほどに拡大する。何の音を弾いているのかわからないため、音程をはずしてもバレないという利点を持つ。
 

【ハイパー移弦】

 
 手首と肘を完全固定し、肩関節のみで実現させる移弦。アルペジオ奏法の大げさ版(ひどい版)で、イメージとしては移弦の勢いがありすぎて弓がワッサワッサと踊りまくればOK。激しい動きのため、指揮者やTOPからは「必死で弾いてるな、ヨシヨシ」と思ってもらえるかも知れない。
 

【ギャラクティカ・ピチカート】

 
 バルトークピチカートの大げさ版(ひどい版)。まさに常軌を逸した…というか、弦と指板のわずかなスキ間に手首ごと入ってしまうんとちゃうか?てくらいに弦を引っ掛け、一気に放つ。バチコン!!!!!ととんでもなくあり得ない打楽器的な衝撃音が見込まれるため、聴衆の注目を一手に集められる。
 

【光速クレシェンド】

 
 シベリウス楽曲で多用するクレシェンド。ppからffまで限界に挑戦するつもりで息の長い音量増幅をはかる。ポイントは、己の楽器ポテンシャルを信じ、また己自身を信じ、右腕が折れるかと思えるくらい圧をかけ、楽器が凹むのではないか?ネックが折れてしまうのではないか?といった数々の恐怖と戦いつつ、命がけで弦を押さえ擦り上げることである。
 

【爆裂フォルツァンド】

 
 弓を持った右腕を斜め上方に大きく振りかぶり、上腕・前腕・弓が仰角45~60度を指し示した体勢を開始肢位とし、全盛期のイチローがライト最深部からホーム目がけてレーザービームを発射する時のイメージそのままに、全身全霊をかけて弦に叩きつけながら奏するフォルツァンド。多用する以前にただの一度でも試みれば、99.9%以上の確率で楽器が破壊されるという、どこまでも恐ろしい奏法である。
 
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※これらはFオケ時代の実話に基づくノスタルジックな記述である。
※名付けて「泣く子も黙る・まこと流ヴィオラ8奏法」なんちて。
※ぶっちゃけアホでした。
※若さゆえの過ちってヤツですね。
※よい子はマネしちゃいけません。
 
 

2014/10/10

コンサートマスター雑記



 今回は指揮者ではなく、Viola奏者としての雑記を。テーマは、無駄に長い演奏歴を重ねる中、何度か役をいただいたことがあるコンサートマスターについて。

2014/10/09

まわりを「聴く」ということ



 一つ前の稿「合わせるということ」を受けての補足を。

 チャイコフスキーの弦楽セレナードのような“歌”にあふれたメロディアスな作品を合わせる時のポイントは、
 「旋律を弾いているのか?」
 「旋律を支えているのか?」
自分のパートの役割をはっきりと理解して弾くことです。よく言われる「まわりの音を聴いて」というのは、その箇所における自分の役割を知ることに他なりません。

2014/10/03

「合わせる」ということ



 「合わせる」ということについての、根本的な僕の考え方を述べてみます。

 よく「指揮を見て合わせる」「ソロに合わせる」「トップに合わせる」などという表現を使うことがあります。これらの言葉が持つ意味は、一体どのようなことなのでしょうか。

2014/10/02

アマチュアとプロ



 1つ前の稿で「初心者と経験者」について触れた。あれは実は前フリで、ここ最近ずっと感じていた本当に言いたかったテーマをここに記す。

初心者と経験者

 僕が初めてびよらを手にしたのは平成元年。大学入学を機に、まったく新しいことを始めようと思い立った。俗に言う“初心者”としてのスタートである。